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2024.09.25

労務の優先事項(9)ハラスメントを防止する②

スモールビジネスの労務を徹底サポート!!

東京都目黒区の社会保険労務士、
社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。


従業員の雇用に関する作業や取り組みを「労務」と呼びます。
「労務」には、
*含まれる事項の幅が非常に広い
*「法律上の義務である事項」と「法律上の義務ではない発展的な事項」とが混在している
という二つの特徴があります。


そのため、会社が労務に取り組む際には、「法律上の義務である事項」を優先することがポイントです。
この連載では、「法律上の義務である事項」の内、特に重要な10項目を紹介していきます。
(連載のまとめはコチラからどうぞ)

<ハラスメントを防止する措置>

今回のテーマは、前回に引き続き「ハラスメント対策」です。
前回は、法律上対応が義務付けられている3種のハラスメント(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメント)の定義を確認しました。
今回は、ハラスメントを防止する措置の具体的な内容を紹介します。


ハラスメント防止のため会社に求められる措置は、厚生労働省の指針に定められています。
複数の措置が求められていますが、その内容は「平常時の準備」と「ハラスメント事案が発生した際の迅速・適切な対応」の二つに分類することができます。

「平常時の準備」は以下のようなものです。
*ハラスメントへの対応方針を社内外に発信する
*ハラスメントに関する相談窓口の設置
*ハラスメントについての研修の実施、対応マニュアルの作成

「ハラスメント対応方針」には、
・ハラスメントを発生させないという会社の決意
・ハラスメント行為者に厳正な対処を行うこと
・相談者に対して不利益な取り扱いをしないこと
といった内容が含まれます。


続いて「ハラスメント事案が発生した際の迅速・適切な対応」には以下のようなものがあります。
*事実関係の速やかな把握
*被害者及び行為者のプライバシーの保護
*被害者に対する配慮
*行為者に対する処分
*再発防止措置
なお、「被害者に対する配慮」とは、
行為者からの引き離しやメンタルヘルス不調に関する相談対応を行うことなどです。

<ハラスメント事案を起こさないために>

ここまで、会社が実施するハラスメント防止措置を確認しました。
しかし中小零細企業においては、防止措置を実施するだけでハラスメント問題が解決するわけではありません。


例えば、中小零細企業がハラスメントに関する相談窓口を設置した場合に、全体の従業員数が少ないことから、事案発生時に被害者が相談しづらい状況になる可能性が想定されます。


また、被害者に対する配慮措置の一つに被害者と行為者を引き離すことがありますが、支店や複数の部署がない小さな組織においては、被害者と加害者を引き離すことは簡単ではありません。


法律上の義務であるハラスメント防止措置の実施はもちろん必要です。
しかし、上記のようにハラスメント防止措置が機能しない事態を考慮すると、防止措置の実施だけではなくハラスメント事案の発生自体を防ぐことも大切です。


ハラスメント事案防止のポイントは、ハラスメントへの対応方針の発信や関連する研修を積み重ねることに加えて、
相手の立場を意識したコミュニケーションを従業員に意識づけることです。


その行為がハラスメントかどうかを決めるのは、行為をする側ではなく行為を受ける側です。
ある行為をAさんがコミュニケーションの一部だと感じたとしても、全く同じ行為をBさんはハラスメントと受け取る可能性があります。


「行為を受ける側の受け止め」という視点を持ち、受け手の感じ方も意識しながら職場での指導・教育・コミュニケーションを行うことが大切ではないでしょうか。


記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
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 東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
 社労士事務所 SteadyStep <ステディステップ>
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