社労士事務所 SteadyStep
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2025.08.10
動いた「年収の壁」への対応
スモールビジネスの労務を徹底サポート!!
東京都目黒区の社会保険労務士、社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
当事務所は、小規模企業のお客様を中心に、会社の労務をサポートしています。
労務とは、給与計算・労働関係の法令対応・職場づくりなど、従業員を雇うと必要になる作業のことです。
このブログでは、労務管理のヒントになる話題を紹介しています。
今回のテーマは「年収の壁」です。
<年収の壁が動いた!>
今年度の税制改正で、およそ30年ぶりに「年収103万円の壁」(以下、「年収の壁」と表記。)が動いたことが話題になりました。「年収の壁」とは、おおざっぱに言うと、所得税が発生しない収入の上限のことです。
今年の制度改正で、この収入の上限が引き上げられたのですが、
詳細な内容や「年収の壁」そのものについては、税金に関する話題であり、
社会保険労務士が語るべきではありませんので、以下をご参照ください。
国税庁:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について
国税庁の公表によりますと、
11月までの給与計算や所得税に関する事務は従来とおり行い、
今年の年末調整の改正後のルールを適用して所得税を清算する、
ということのようです。
ですので、「年収の壁」の変更については、年末調整に着手する秋以降の対応でも問題はないのですが、
社労士の業界では、早くもホットな話題となっており、お客様からの問い合わせが増えております。
<ポイントは、従業員とのコミュニケーション>
なぜ今の時期から問い合わせが増えているのかといいますと、「年収の壁」の問題には、「税金の計算」の面だけでなく「働き方」という面もあるからです。
「年収の壁」に関して、例年9月になると、「あと何万円働けるのか問題」が発生し、8月までの給与の額を確認する作業が恒例行事のようになっていました。
例年そのような状況になる中、制度改正があったことで今年は動き出しが早くなっています
『壁が変わったと聞いたけど、ウチの○○さん、あとどれくらい働けるの?』
このような問い合わせを経営者様や人事担当者様からいただきます。
お問い合わせに対しては、制度変更の内容を案内することに加えて、
会社様と従業員様との間のコミュニケーションをしっかり取るべきとお伝えしています。
というのも、今回の改正で年収の壁が引き上がりましたが、
「壁が引きあがった分、昨年よりも多く働いてよい。」
と単純には言えない面があるからです。
「年収の壁」は本人の所得税の話ではあるものの、
本人の住民税や社会保険、親や配偶者の所得税や住民税の計算(配偶者控除・扶養控除)など、広い範囲に影響を与えます。
『壁が引きあがったんでしょ?』と安易に勤務(=収入)を増やしてしまうと、
先々に、従業員本人だけでなくご家族にもおよぶトラブルの原因になる可能性があります。
今年の年収をどの程度にするか(=この先の勤務時間をどの程度にするか)という点については、
会社と従業員、従業員とその家族との間で慎重に話し合って決めることが大切です。
年収の壁の改正について社労士として言いたいのは、
『従業員さんとしっかりコミュニケーションを取るべし』
この一点だけです。
従業員さんとの無用なトラブルを防ぐため、
慎重に、かつ速やかに、今後の働き方についてのすり合わせを進めていきましょう。
本記事は、筆者個人の見解によるものです。
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東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
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