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2025.11.10

賃上げ時代の生存戦略(3)

スモールビジネスの労務を徹底サポート!!


東京都目黒区の社会保険労務士、
社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。


当事務所は、小規模企業のお客様を中心に、会社の労務をサポートしています。
労務とは、給与計算・労働関係の法令対応・職場づくりなど、従業員を雇うと必要になる作業のことです。
このブログでは、労務管理のヒントになる話題を紹介しています。
今回のテーマは前回に引き続き「賃上げ時代の生存戦略」です。


今後も本年と同等かそれ以上に最低賃金が引き上げられていくことが予想される中、法的な義務である最低賃金引き上げに対応し生き残っていくために、会社はどのような策を取ればよいのでしょうか。

<働き手から選ばれる会社になる>

過去2回、「賃上げ時代の生存戦略」として賃上げの原資を確保するべく、人件費の削減と差別化による売り上げアップを取り上げました。


近年、人手不足に伴う採用難や経済情勢による物価高を背景として、正規雇用・非正規雇用ともに賃金相場の上昇傾向が続いており、それに追随する形で最低賃金の大幅な引き上げも続いております。
賃金の上昇傾向が続く時代にあっては、世間相場並みに賃金を上げていっても、中小零細企業が従業員の採用や既存従業員のつなぎ止めを狙い通りに進めることは難しいと言えます。


なぜならば、賃金だけでなくボーナスや福利厚生も含めた待遇全体を比較すると、中小零細企業は大企業に見劣りするため、働き手が大企業に流れてしまう傾向があるからです。
さらには、中小零細企業の間でも働き手の採り合いになっています。


このように、賃上げを実行しても従業員を確保できない可能性がある中で会社が生き残っていくためには、
「賃金以外の働き手に自社を選んでもらう要素」を増やし、働き手から選ばれる会社になることが必要です。


「賃金以外の働き手に自社を選んでもらう要素」というと抽象的ですが、
○育児や介護といった個人の事情に合わせた柔軟な勤務が可能である
○有給休暇が取りやすい雰囲気がある
○社内での教育・訓練や外部研修の実施などスキルアップできる環境がある
といった様々なものがあります。
会社はこれらの要素を増やす取り組みを、賃上げと並行して行うべきでしょう。


働き手から選ばれる会社になることは、「従業員の視点から見る」と言い換えることができます。
業務効率化や省人化に取り組むのも、売り上げを作るのも、最終的には従業員です。
従業員の視点に立って働きやすい職場環境を整備し、仕事への意欲や会社に貢献しようという思いを引き出すことが会社の生き残りにつながります。

『働き手に選んでもらえる職場環境を提供できているだろうか。』

賃金が継続的に上がる時代だからこそ、この問いを持ち続ける必要があります。


もちろん、従業員の視点に立つことは、従業員を甘やかし従業員の言いなりになることではありません。
従業員は道具でもなければ神様でもありません。
会社とともに事業の発展のために努力し、生まれた利益を分け合う対等な関係です。
従業員の働きやすさや能力発揮を考える一方で、情に流されず、淡々と、フラットに接する。
そのうえで事業発展への貢献を評価して待遇に反映する、このような姿勢が大切ではないでしょうか。


記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
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 東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
 社労士事務所 SteadyStep <ステディステップ>
 過去のブログはこちら↓
 https://steadystep.jp/blog/index/
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