社労士事務所 SteadyStep
Blog
ブログ
2023.08.10
有給休暇と向き合う【はじめの10歩(8)-4】
創業期の労務の体制づくりを徹底サポート!!
東京都目黒区の社会保険労務士、社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
従業員を雇った時、会社は労務といわれる作業を行う必要があります。
( 「労務」についてはコチラ )
労務に含まれる作業はとても幅が広く、気づいたものから取り組むと、作業ミスや必須の作業の見落としが発生します。
そこで当事務所では、ミスや見落としを防ぐために、
新規創業の会社や初めて従業員を雇った会社が取り組む労務を10項目にまとめ、「はじめの10歩」と名付けて提案しています。
今回の記事では、有給休暇の日の給料について考えます。
<有給休暇を使われるのは損?>
有給休暇を取得した際の給料の計算方法は何種類かありますが、その日に有給休暇を取得せずに働いたと仮定した場合の給料を支払う方法が一般的です。
すなわち、
・月給の場合:給与を減額せずに(=働いたものとして)支払う
・時給の場合:休暇を取った日の勤務予定時間分の時給を支払う
ということになります。
このような説明をすると、
「月給制なら単に給料が減らないだけだが、時給制の場合は給料を追加で支払うことになる。
アルバイトに有給休暇を使われるのは損ではないか。」
と不満に思われる方がいらっしゃいます。
しかし、これは誤解です。会社は損してはいないのです。
この誤解は、シフトを組む作業と有給休暇の取得希望を受け付ける作業との順番を整理することで解消します。
※今回の記事は、勤務シフトにより働く時給制の従業員を想定しています。
<有給休暇申請のタイミングがポイント>
休暇とは、労働日の労働義務の免除です。そのため、有給休暇は「労働日」である日にしか使えません。したがって、勤務シフトにより働く方は、勤務シフトが作成され、労働日(=勤務予定日)が確定してからでないと、有給休暇の申請はできないことになります。
実際の現場では、有給休暇の取得希望を含めたシフトの希望を提出してもらい、提出されたシフト希望に沿ってシフトを作成するケースが多いと思います。
しかし、上記のように、シフトを作成した後に有給休暇の取得希望を受け付けるのが本来の流れです。
このような流れを取ることで、勤務シフトで労働日とされた日に対して有給休暇が申請されることになります。
会社としては、上記の流れを徹底するため、シフトで勤務するスタッフに対して、
「勤務シフトで労働日となっている日にしか有給休暇は使えない」ことを周知するとともに、勤務シフトを公開するタイミングを早める必要があります。
勤務シフトの公開が遅れると、有給休暇の取得申請を受ける期間が取れないためです。
<会社は損していない>
ここまでお読みになって、お気づきになった方もいらっしゃるかもしれません。上記の流れの場合、時給制の方が有給休暇を使っても、会社として有給休暇分の時給を追加で払うことにはなりません。
なぜならば、確定した勤務シフトについて、勤務シフトに沿った実際の労働に対して給料を払うか、勤務予定日に有給休暇を取得したことに対して給料を払うかの違いであって、会社が支払う総額(時給×シフト上の総労働時間数)に違いはないからです。
これは「月給制の方が有給休暇を取っても給料が減らない」というのと、形としては同じことです。
はじめに勤務シフト作成し、勤務予定日についてのみ有給休暇の申請を受ける、これが本来の流れです。
この流れを取らないと、勤務シフトで働く時給制のスタッフから有給休暇を申請された際に、
「実際の勤務の時給にプラスして有給分の時給を支払っている」と損した気分になってしまうのです。
本記事は、筆者個人の見解によるものです。
記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
————————————————————————–
東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
社労士事務所 SteadyStep <ステディステップ>
過去のブログはこちら↓
https://steadystep.jp/blog/index/
————————————————————————–
(C)2023 社労士事務所SteadyStep
Access
事務所情報
Company
Address
〒153-0061
東京都目黒区中目黒3-6-2 中目黒F・Sビル5F
Representative
社会保険労務士 秋澤 一宏
License Number
13200288(東京都社会保険労務士会)