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2024.04.25

労務の優先事項(3)働き方と給与計算のルールを決める②

スモールビジネスの労務を徹底サポート!!

東京都目黒区の社会保険労務士、
社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。


従業員の雇用に関する作業や取り組みを「労務」と呼びます。
「労務」には、
*含まれる事項の幅が非常に広い。
*「法律上の義務である事項」と「法律上の義務ではない発展的な事項」とが混在している。
という二つの特徴があります。


そのため、会社が労務に取り組む際には、「法律上の義務である事項」を優先することがポイントです。
この連載では、「法律上の義務である事項」の内、特に重要な10項目を紹介していきます。
(連載のまとめはコチラからどうぞ)

<同一労働同一賃金って何?>

前回の記事では、賃金に関する法律上の決まりを取り上げましたが、
その中に、「同一労働同一賃金の原則に適合した賃金を設定している」というルールがありました。
前回の記事では詳細に触れませんでしたが、「同一労働同一賃金」はとても大切なルールですので、今回の記事で紹介します。


「同一労働同一賃金」は2020年の法律改正により義務となったルールです。

その内容は、
「正社員と正社員ではない従業員との間で、賃金等の労働条件について、正当な理由のない差を設けてはいけない。」
というものです。

※正社員 : フルタイム勤務で無期雇用の従業員
 正社員ではない従業員 : パートタイマーや有期雇用の従業員など
 有期雇用 : 雇う期間が決まっている雇用(6か月、1年、など)


ポイントは、「差を設けてはいけない」のではなく、「正当な理由のない差を設けてはいけない」という点です。
正社員と正社員ではない従業員との間で労働条件に差異が存在したとしても、その差異に正当な理由があれば問題にはなりません。

<同一労働同一賃金の具体例>

それでは、「正当な理由」について具体例で考えてみましょう。


例えば、通勤手当です。
「正社員には通勤手当を支給するが、アルバイト従業員には支給しない。」
というルールを設ける場合、労働条件の差異に正当な理由があると言えるでしょうか。


この場合は、「正当な理由はなく不適切」と判断される可能性があります。
なぜならば、通勤に一定の費用(電車代やガソリン代)がかかるのは、正社員であってもアルバイト従業員であっても同じだからです。


一方で、
「正社員には定期券代を通勤手当として支給するが、アルバイト従業員には日額運賃を出勤日数分支給する。」
というルールの場合はどうでしょうか。


一般的に、アルバイト従業員は正社員に比べて勤務日数が少ないことから、
定期券代を支給すると通勤手当の払い過ぎになることがあります。
この点を考慮すると、上記のルールには正当な理由があると判断される可能性が高いでしょう。

<同一労働同一賃金への対応は早い方が良い>

繰り返しになりますが、同一労働同一賃金への対応とは、
正社員と正社員ではない従業員との間で、正当な理由のない労働条件の差が発生しないようにすることです。
また、通勤手当に限らず、基本給、賞与、福利厚生といったあらゆる労働条件について「同一労働同一賃金」の原則は適用されます。


くわえて、同一労働同一賃金への対応は、事業を始めて会社を運営する初期の段階から着手するべきです。
というのも、事業を始めてから年数がたつほど、自社のルールや運用を変えることが難しくなるからです。
初期の段階で、同一労働同一賃金を意識したルールを設定することで、その後の業務運営をスムースに進めることができます。


記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
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 東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
 社労士事務所 SteadyStep <ステディステップ>
 過去のブログはこちら↓
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