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「賃上げ」とどう向き合うか(1)

創業期の労務の体制づくりを徹底サポート!!
東京都目黒区の社会保険労務士、
社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
今回のテーマは「賃上げとどう向き合うか」です。
本年の春闘で、大企業の賃上げが30年ぶりの高水準になったことがニュース等で取り上げられています。
春闘とは大企業の賃上げ交渉のことですので、中小・零細企業に直接関わることではありません。
しかし、中小・零細企業も大企業のお給料の動向に影響を受けますので、動向を把握しておく必要があります。
では、中小零細企業は世間の賃上げの流れにどう向き合えばいいのでしょうか。今回の記事で考えてみましょう。
<賃上げの世間相場>
大企業を中心とした会社と労働組合との給料の交渉を「春闘」と呼びます。
春闘の交渉結果については、連合(労働組合の連合団体)が定期的に集計を公表しており、5月10日の発表では、平均で3.73%という数字が公表されています。
参照: 連合 2023春季生活闘争 第5回回答集計結果
なお、数字を見るときには、定期昇給分とベースアップ分の合計を指して「賃上げ」と報道される点に注意が必要です。
定期昇給とは、年齢・勤続年数・経験年数などをもとに給料を設定している会社で、年数の経過とともに自動的に給料が上がることをいいます。一方でベースアップとは、給料の設定自体をアップすることを指します。
たとえば、1年目20万円、2年目21万円、3年目22万円と昇給する会社で、2年目に入るにあたり1万円昇給することは定期昇給ですが、給料体系全体を底上げし1年目21万円、2年目22万円、3年目23万円といった改定を行うことがベースアップです。
報道は、目につきやすいインパクトのある数字を見出しにするため、大幅な昇給を行った会社が多い印象を受けます。
しかし、上記の5月10日の発表を例に採ると、3.73%の内、定期昇給分が1.59%、賃上げ分が2.14%です。
実質的な賃上げの平均は2%程度だったことが分かります。
<賃上げとどう向き合うか>
賃上げがこれだけ報道等で取り上げられますと、自社の従業員さんも賃上げについてニュース等でご存じでしょう。
世間で報道される「賃上げ」が定期昇給分とベースアップ分の合算であることを従業員さんが知らなかった場合、
『世間では○%昇給しているのにウチの会社は上がらなかった』
という不満を持たれる可能性があります。
この点を考慮すると、定期昇給制度が無いとしても、定期昇給分とベースアップ分を合計した世間の賃上げ動向をふまえて、自社の賃上げを検討することも必要になります。
しかし、給料を世間相場に沿って上げるだけでは、従業員さんの不満を抑えられない可能性があります。
といいますのも、月々の給料を世間相場に沿って上げたとしても、ボーナスや福利厚生などを含めた労働条件全体を考えると、中小・零細企業が大企業と競うことは難しいからです。
同程度の給料であれば、働き手は大企業に流れてしまいます。
中小・零細企業としては、賃上げだけではなく、
職場の雰囲気や働きかたも含めた会社全体の改善を通じて従業員の定着や長期勤続を目指す必要があります。
本記事は、筆者個人の見解によるものです。
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