社労士事務所 SteadyStep
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2025.09.10
カスタマーハラスメント対策(1)
スモールビジネスの労務を徹底サポート!!
東京都目黒区の社会保険労務士、社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
当事務所は、小規模企業のお客様を中心に、会社の労務をサポートしています。
労務とは、給与計算・労働関係の法令対応・職場づくりなど、従業員を雇うと必要になる作業のことです。
このブログでは、労務管理のヒントになる話題を紹介しています。
今回のテーマは「カスタマーハラスメント対策の動向」です。
<カスタマーハラスメント対策の動向>
近年、カスタマーハラスメントは、用語や概念として一般に浸透し、カスタマーハラスメントの防止が社会的な要請となっています。一方で、現在のところ、カスタマーハラスメント対策実施を義務付ける法律はなく、事業者の自主的な取り組みが求められている状態です。
しかし今年に入り、国や地方自治体において、事業者にカスタマーハラスメント対策を義務付ける動きが出てきています。
具体的には、今年の4月から東京都、北海道、群馬県でカスタマーハラスメント防止条例が施行され、国会でも法律が改正されました。
地方自治体の条例は事業者の努力義務を定めるものとなっていますが、国会で改正された法律では、令和8年度から(※)カスタマーハラスメント防止対策の実施を事業者の義務とすることが決まりました。
※具体的な施行日は未定であるものの、来年の4月または10月と予想される
今回と次回の記事では、東京都の「カスタマー・ハラスメント防止条例」の内容と、事業者に求められる対応を紹介いたします。
<東京都のカスタマーハラスメント防止条例>
東京都の条例では、カスタマーハラスメントについて「顧客等から就業者に対し、その業務に関して行われる著しい迷惑行為であって、就業環境を害するもの」と定めています。「著しい迷惑行為」とは 「暴行、脅迫その他の違法な行為又は正当な理由がない過度な要求、暴言その他の不当な行為」とされており、
具体的には暴行、脅迫、名誉毀損といった刑法等に規定される違法行為に加えて、正当な理由のない過度な要求や大声を出すなど、行為の手段・態様が不当なものが該当するとされています。
また、事業者の責務として、以下の内容が定められています。
・カスタマーハラスメントの防止に主体的かつ積極的に取り組むこと
・都が実施するカスタマーハラスメント防止施策に協力すること
・カスタマーハラスメント発生時に、就業者の安全確保等の適切な措置を講じること
・自社の従業員がカスタマーハラスメントを行わないように措置を講じること
なお、「都内で事業を行う法人その他の団体または事業を行う個人」が条例の対象となる事業者とされており、都内に事業所があれば本拠地が都内にあるかどうかに関わらず条例が適用されます。
参考:東京都 カスタマー・ハラスメント防止条例
参考:東京都 カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)
条例ではカスタマーハラスメント対策の実施が事業者に求められていますが、努力義務となっており、義務を果たさないことに対する罰則もありません。
しかし、カスタマーハラスメント対策が社会的に求められている中で、
努力義務ではあるものの、法律では義務付けられていない対策の実施を事業者に求めた点に条例の意義があるのではないでしょうか。
次回の記事では、実際のカスタマーハラスメント対策として事業者に求められる対応について紹介します。
記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
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