社労士事務所 SteadyStep
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2025.04.25
スポットワークの注意点(2)

スモールビジネスの労務を徹底サポート!!
東京都目黒区の社会保険労務士、社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
当事務所は、小規模企業のお客様を中心に、会社の労務をサポートしています。
労務とは、給与計算・労働関係の法令対応・職場づくりなど、従業員を雇うと必要になる作業のことです。
このブログでは、労務管理のヒントになる話題を紹介しています。
今回のテーマは、前回の記事に続き「スポットワーク」です。
スポットワークは、スマホのアプリを活用して短期・短時間の勤務を行う新しい働き方です。
しかし、雇用しているという意味ではフルタイムやパートタイムの従業員と違いはなく、労働基準法等の労働関係法令の適用を受けます。
そこで今回は、『スポットワーカーに労働関係法令が適用されることによる注意点』を確認します。
なお本記事では、雇用契約を締結したうえで短期・短時間の勤務を行う形態を「スポットワーク」と表記します。
また、スポットワークを利用して働く方を「スポットワーカー」、スポットワークのアプリを運営する事業者を「運営事業者」と表記します。
本記事の内容は2025年4月時点のものです。
今後、法令の改正や運営事業者側の取り扱いの変更が行われる可能性があります。
<スポットワーカーに適用される法律など>
①労働基準法、最低賃金法
労働条件の明示、労働時間の管理、休憩、各種割増賃金の支払い、最低賃金、などの事項はスポットワーカーにも適用されるため、会社はこれらの点を適切に管理・運用する必要があります。なお、大手の運営事業者では、労働条件の通知はアプリ上で行われ、労働時間もアプリによって管理できる仕組みとなっているようです。
②労働安全衛生法
スポットワーカーに対しても、業務中のケガや事故を防ぐための作業上の注意点の説明(安全衛生教育)が必要です。一方で、スポットワーカーは「常時使用される労働者」に該当しないことから健康診断の対象にはなりません。
③労災保険法/労働保険料の申告
雇用契約を結んで働くスポットワーカーは労災保険の適用対象となります。そのため、労働保険料申告の際には、スポットワーカーに支払った賃金も含めて納付額の計算を行います。
④各種のハラスメント防止措置
スポットワーカーに対してもハラスメントを防止するための措置を取らなければなりません。パワハラ等を防止する義務は、フルタイムやパートタイムの従業員と同様に、スポットワーカーにも適用されます。
⑤所得税の源泉徴収
スポットワーカーに支払う賃金が一定額を超えると所得税が発生し、その場合は、所得税の徴収と納付が必要です。実際に所得税が発生したときには、所得税が計算された賃金が運営事業者からスポットワーカーに支払われます。
会社が所得税を納付する際には、スポットワーカーの賃金から控除した額が計算から抜けないよう、注意が必要です。
⑥雇用保険・社会保険
スポットワークの働き方は、加入条件を満たさないことが多く、雇用保険・社会保険の対象とならないことが一般的です。ただし、契約が連続し長期間にわたる場合は、加入が必要になる可能性もあります。
ここまで紹介した通り、スポットワーカーの活用においては様々な注意点があります。
その中でも、スポットワーカーに対する賃金が労働保険料の計算に含まれる点、
そして、スポットワーカーであっても所得税の徴収・納付が必要である点は、
処理が漏れてしまうと法律違反となってしまうため、厳重な管理が必要です。
『スポットワーカーを活用した場合は、月単位で社労士や税理士に報告する。』
この点は、ぜひ心の片隅に置いていただければと思います。
記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
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