社労士事務所 SteadyStep
Blog
ブログ
2024.05.25
労務の優先事項(4)労働時間を把握する②
スモールビジネスの労務を徹底サポート!!
東京都目黒区の社会保険労務士、社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
従業員の雇用に関する作業や取り組みを「労務」と呼びます。
「労務」には、
*含まれる事項の幅が非常に広い
*「法律上の義務である事項」と「法律上の義務ではない発展的な事項」とが混在している
という二つの特徴があります。
そのため、会社が労務に取り組む際には、「法律上の義務である事項」を優先することがポイントです。
この連載では、「法律上の義務である事項」の内、特に重要な10項目を紹介していきます。
(連載のまとめはコチラからどうぞ)
前回の記事で、労働時間の把握が会社の義務であることをお伝えしました。
続く今回のテーマは「労働時間とは何か」です。
労働時間の把握をするためには、どのような時間が労働時間に該当するのか、整理しておく必要があります。
今回の記事で確認しましょう。
<労働時間に該当するもの>
最初に結論です。労働時間とは「従業員が会社の指揮命令により作業した時間」です。
「指揮命令により」というと難しいですが、言い換えれば「会社の指示で」ということです。
そのため、会社にいた時間の全てが労働時間になるとは限りません。
会社で作業をしていたとしても、それが会社の指示によるものでなければ労働時間には該当しないのです。
なお、「会社の指示」には言葉や文章による明確な指示だけではなく、暗黙の指示も含まれます。
暗黙の指示とは、明確な指示が無くても、実質的に指示があると言える状態にあることです。
例えば、
『任意参加とは言うものの、参加しないと業務評価が下がる勉強会』
に参加した時間は、会社の暗黙の指示があり労働時間だったと判断されます。
<これって労働時間ですか?>
労働時間の例として「実質的に強制参加の勉強会」をあげましたが、その他にも以下のようなケースは労働時間に該当します。
①準備、朝礼/後片付け、清掃
着替え、機器の準備、朝礼といった始業前の作業や、片付けや清掃など終業後の作業は、それが業務上必須のものである場合は労働時間となります。
例えば、始業が10:00だったとしても、9:30まで出社し朝礼に参加することが義務となっている場合には、勤務の開始は9:30となります。
②休憩時間中の電話当番
休憩とは労働から完全に離れることを指します。
そのため、休憩中に電話や来客への対応を行うと、会社の指示のもとで作業したと判断され、その時間は労働時間になります。
休憩中も電話や来客への対応が必要な場合は、休憩を交代制にするなどの工夫が必要です。
<労働時間の集計は1分単位で>
労働時間に該当するかどうか、という問題に関連して、労働時間の集計にも注意しましょう。御社では、従業員の労働時間を10分単位や15分単位で端数処理していないでしょうか。
労働時間の集計は1分単位が原則です。
そのため、特に理由もないのに労働時間を一律に端数処理する取り扱いは法律違反の疑いがあるだけでなく、切り捨てた時間分の賃金が未払になってしまいます。
もちろん、適切な労働時間の集計は、従業員による正確な打刻入力が前提です。
未払い賃金のトラブルを防ぐため、労働時間を適切に集計するとともに、従業員に対して適切な打刻入力を指導していくことが大切です。
記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
————————————————————————–
東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
社労士事務所 SteadyStep <ステディステップ>
過去のブログはこちら↓
https://steadystep.jp/blog/index/
————————————————————————–
(C)2024 社労士事務所SteadyStep
Access
事務所情報
Company
Address
〒153-0061
東京都目黒区中目黒3-6-2 中目黒F・Sビル5F
Representative
社会保険労務士 秋澤 一宏
License Number
13200288(東京都社会保険労務士会)