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2024.06.10

労務の優先事項(5)公的保険に加入する

スモールビジネスの労務を徹底サポート!!

東京都目黒区の社会保険労務士、
社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
従業員の雇用に関する作業や取り組みを「労務」と呼びます。


「労務」には、
*含まれる事項の幅が非常に広い
*「法律上の義務である事項」と「法律上の義務ではない発展的な事項」とが混在している
という二つの特徴があります。


そのため、会社が労務に取り組む際には、「法律上の義務である事項」を優先することがポイントです。
この連載では、「法律上の義務である事項」の内、特に重要な10項目を紹介していきます。
(連載のまとめはコチラからどうぞ)
今回のテーマは「公的保険に加入する」です。

<公的保険ってなに?>

公的保険とは、国(政府)が運営する保険制度のことで、生命保険や損害保険といった民間の保険と区別するためにこのように呼ばれます。
この記事では、公的保険の中から、従業員の雇用と関係の深い「労災保険」、「雇用保険」、「健康保険」、「厚生年金」について取り上げます。


まずは、各制度の内容を簡単に確認しましょう。

【労災保険】
 業務が原因となって発生したケガや病気の治療、それらのケガや病気により働けない時の給付金など
【雇用保険】
 転職活動中の失業保険、育児休業期間中の育児休業給付金など
【健康保険】
 保険証の交付(3割負担で医療機関を受診できる)、業務外のケガや病気により働けないときの給付金など
【厚生年金】
 老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金など

<公的保険の対象となる従業員>

従業員が、公的保険の加入対象となるかどうかは、その方の労働時間により判断されます。
雇用形態は無関係なので、正社員でもアルバイトでも、以下の条件に該当する場合は加入が必要です。

【労災保険】
 労働時間の長さに関わらず、全ての従業員が対象
【雇用保険】
 週に20時間以上勤務する従業員は加入が必要
【健康保険・厚生年金】
 週に30時間以上勤務する従業員は加入が必要
 ※健康保険と厚生年金はセットで加入
 

なお、労災保険・雇用保険は役員(取締役など)は対象外ですが、健康保険・厚生年金は役員も加入対象です。
また、2024年10月以降、従業員数51人以上の会社においては、健康保険・厚生年金に加入する基準が週20時間以上の勤務に拡大されます。


ポイントは、
従業員を公的保険に加入させるかどうかを会社が選べるのではなく、従業員が条件を満たす場合は加入させる義務がある
という点です。
任意ではなく、法的な義務です。


公的保険への加入が、会社にとって大きな負担であることは言うまでもありません。
しかし、働く人にとって、公的保険が適切に運用されていることは、プラス要素ではなく前提条件です。
公的保険に加入する負担は、人材確保のための必要経費だと言えます。

<保険料の負担>

「公的保険」という名の通り、加入すると保険料が発生します。
保険料率や保険料の計算方法は省略いたしますが、
公的保険の保険料には会社負担分があるため、
会社負担分の保険料を見越して資金繰りを検討する必要があります。



例えば、お給料が20万円の場合、各種の保険料の合計は6万円程度です。
保険料は会社と従業員で約半分ずつ負担するため、従業員負担分を差し引くと、会社の負担は23万円程度になります。
お給料に保険料の会社負担分が加算されることを見込んでおくことが大切です。


記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
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 東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
 社労士事務所 SteadyStep <ステディステップ>
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