社労士事務所 SteadyStep
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2023.09.10
労務の落とし穴
創業期の労務の体制づくりを徹底サポート!!
東京都目黒区の社会保険労務士、社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
本日のテーマは「労務の落とし穴」です。
社会保険労務士として多くの会社に関わる中で、労務の中で手が回らない部分や抜けてしまう部分に共通点があることに気がつきました。
多くの会社に共通するということは、どんな会社でも発生する可能性があるということです。今回は、その中から二つのテーマを取り上げます。御社ではいかがでしょうか。
< “やっているつもり” になっていませんか?>
会社は、従業員に対して労働条件を通知する義務があります。法律の決まりですので、労働条件を通知していないのはそもそも違法です。一方で、労働条件の通知を行っていても、そこに落とし穴が隠れているケースがあります。
その落とし穴とは、“やっているつもり” になってしまうことです。
例えば、労働条件の通知のために雇用契約書を渡すとき、手渡しするだけの流れ作業になっていないでしょうか。
これは大変危険です。
確かに、労働条件を書面で通知することで法律上の義務は果たしています。
しかし、手渡しするだけでは、従業員さんが内容を理解できていない可能性があり、従業員さんの理解不足や会社と従業員さんとの認識のずれは、後々のトラブルの原因になります。
そして、雇用契約書の交付は、従業員さんと話をするチャンスでもあります。5分でも時間を取って、労働条件だけでなく日々の勤務のことを話す機会を設けましょう。
<御社の労働時間集計、危険かもしれません>
日本の法律では、労働時間とお給料は密接にかかわっており、労働時間は1分単位で計算・集計する必要があります。これは、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と労働基準法で決められているためです。
払い漏れ無く全額を支払うために、労働時間を1分単位で集計することが必要です。
しかし世間では、5分単位や10分単位で集計している会社が多くあります。
「○分未満の労働時間は端数を切り捨ててもいい。」というのは根拠のない都市伝説です。このような処理を行うと、切り捨てた時間分の給与が払い漏れ(未払い給与)になります。
そもそも労働時間の記録事態を行っていないケースは問題外ですが、労働時間を記録していたとしても、不適切な集計を行うと、未払い給与という落とし穴にはまってしまいます。
ここで、労働時間を勤務1回あたり10分切り捨てていた場合を考えてみましょう。
月20日勤務として200分、すなわち3時間20分の未払い給与が発生します。これは、年換算すると40時間となり、時給1000円の方ですと年間4万円です。
従業員1名で4万円です。人数が多くなればその分金額は増えていきます。
また、1分単位の集計ということに関しては、決まった休憩時間を機械的に労働時間から差し引いているケースも危険です。
「休憩取れなかったのに休憩したことにされている!」などと後から主張され、トラブルになることがあります。
このような事態を防ぐためには、出勤時刻と退勤時刻だけでなく、休憩開始時刻と休憩終了時刻も記録させることが有効です。
記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
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