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2025.05.10

賃金のデジタル払い(1)

スモールビジネスの労務を徹底サポート!!

東京都目黒区の社会保険労務士、
社労士事務所SteadyStep <ステディステップ> です。
当事務所は、小規模企業のお客様を中心に、会社の労務をサポートしています。


労務とは、給与計算・労働関係の法令対応・職場づくりなど、従業員を雇うと必要になる作業のことです。
このブログでは、労務管理のヒントになる話題を紹介しています。
今回のテーマは「賃金のデジタル払い」です。


※この記事では、いわゆる「○○ペイ」(QRコード決済)を「デジタルマネー」
デジタルマネーの運営業者を「資金移動業者」と記載します。

<賃金のデジタル払いってなに??>

「賃金のデジタル払い」とは、従業員が持つデジタルマネーのアカウントに賃金を直接支払うことです。
直接デジタルマネーに支払うことで、従業員にとっては、金融機関に振込まれた賃金からチャージする手間が省けるメリットがあります。


あらゆるデジタルマネーに支払うことができるのではなく、厚生労働省の指定を受けた資金移動業者が運営するデジタルマネーに限定して認められており、2025年5月時点で4社が指定を受けています。


今回の記事では、会社が賃金のデジタル払いを導入するまでの流れを紹介し、
次回の記事では、賃金のデジタル払いを導入するべきか(導入するメリットはあるか)について考えていきます。

<賃金のデジタル払い 導入の流れ>

①利用する資金移動業者を決める

厚生労働省は「労働者の便宜に配慮」する観点から複数の業者の利用を推奨しています。
しかし、2025年5月時点で4社の指定となっており、選択肢が限られるのが実情です。

個人が利用するデジタルマネーはさまざまですので、複数の業者に対応することで、より多くの従業員にデジタル払いを提供できます。
一方で、業者ごとに導入方法や入金操作の手順が異なるため、会社の手間が増える点が難点です。

②労使協定を締結する

賃金のデジタル払いを実施するためには労使の合意による労使協定が必要です。
「労使の合意」がポイントであり、賃金のデジタル払いを導入する意向が会社に無ければ、従業員からデジタル払いの要望があったとしても応じる必要はありません。
逆に、会社が導入を希望しても、従業員が希望せず、労使協定を締結することができない場合は、導入できません。

③就業規則の変更

賃金の支払い方法は就業規則への記載が必須です。
そのため、賃金のデジタル払いを導入する場合は、その内容について就業規則に追加しなければなりません。

④従業員からの同意の取得

従業員に対して賃金のデジタル払いについての説明を行い、デジタル払いの実施について同意を得ます。
同意をしない従業員に対して賃金のデジタル払いを強制することはできません。

⑤必要情報の収集

同意を得られた従業員から、資金移動業者のアカウント情報など、デジタル払いの実施に必要な情報を取得します。


以上が、賃金のデジタル払いを導入するまでの流れとなります。
次回の記事では、賃金のデジタル払いを導入するべきなのかについて考えます。


記事の内容は、公開日時点の法令に準拠しています。
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 東京目黒区 ◇ 社会保険労務士
 社労士事務所 SteadyStep <ステディステップ>
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