創業期の労務の体制づくりを徹底サポート！！

東京都目黒区の社会保険労務士、
社労士事務所SteadyStep ＜ステディステップ＞ です。
前回に引き続き、「選ばれる会社になる」というテーマでお送りします。
（前回までの記事はコチラ）

＜雇用に関するトラブル＞

前回の記事では、「日々の業務の中でスルーされがち」という労務の課題を紹介するとともに、
労務に取り組むことのメリットとして、
・従業員の定着率やモチベーションが向上し、最終的には会社の売り上げアップにつながる
・雇用に関するトラブルが発生しづらくなり、トラブルを解決するための費用や時間、労力を削減することができる
といった内容をお伝えしました。


前回の記事で「従業員との雇用に関するトラブル」という表現が出てきましたが、
雇用に関するトラブルとは、
・雇用に関係する法律への違反を従業員から指摘されている状況
・労働条件や退職などについて、従業員ともめ事が発生している状況
を指します。


解雇や退職に関係したトラブルはニュース等になることも多いですが、その他にもさまざまなトラブルが発生します。
今回の記事では、よくあるケースを紹介します。

＜①労働条件の理解のズレによるトラブル＞

会社は、従業員に対して労働条件を通知する義務があります。そのため、労働条件を通知していない会社はそもそも法律違反です。
しかし、労働条件の通知を行っていても、一方的に従業員に説明するだけだと、あとから「そんなことは聞いてない！」と言われ、トラブルになることがあります。


このような事態を防ぐためには、短時間でもいいので、従業員さんと内容の読み合わせをすることがポイントです。


特に、一定時間分の残業代を賃金に組み込む固定残業代制度や休日出勤は、トラブルが多く発生するため、これらの制度がある会社では、丁寧な説明が必要になります。

＜②不適切な労働時間管理によるトラブル＞

労働時間とは、会社の指示のもとで作業していた時間であり、その作業時間に対して賃金が発生します。
また、明確な指示がなかったとしても、その作業が業務上必須である場合は、暗黙の指示（強制）があったとされ、労働時間となります。


例えば、始業時刻前の準備、終業時刻後の片付け等の時間は、会社が明確に指示していなかったとしても、業務上必要な作業であれば、その時間は労働時間となります。
そのため、準備や片付けをしていた時間を労働時間として取り扱っていないと、その時間分の賃金が未払いになってしまいます。


また、日本の法律では、労働時間は1分単位での集計が原則です。しかし現実には、5分単位や10分単位で労働時間を端数処理しているケースがあります。
このような処理も、上記と同様に、切り捨てた時間分の未払い賃金を発生させてしまいます。


未払いの賃金が発生している場合に、従業員から、過去にさかのぼって未払い賃金の支払いを求められることがあります。
積みあがった時間や従業員数によっては、数百万円もの請求を受けることになり、会社経営に大きなダメージを与えます。

＜③有給休暇を取れないことによるトラブル＞

有給休暇は法律で認められた権利です。会社は、有給休暇の希望が複数人重なるといった特殊な状況を除き、有給休暇の取得希望を断ることができません。


理由もなく有給休暇を取らせないことは法律違反になります。
加えて、有給休暇を取ると言い出しづらい雰囲気があるだけでも、「有給休暇を取りたくても取れない！」、「有給休暇を取れないなんておかしい！」といった不満の原因となり、不満が蓄積すれば退職につながる恐れもあります。


有給休暇を取らせることが難しい職場もあるとは思いますが、勤務シフトの調整や業務分担の見直しなどにより、有給休暇を取りやすい環境を作ることが大切です。


この話は次回に続きます。（右下の＜次へ＞をクリック！）
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